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顧客創造研究会 特別会員校
埼玉県・浦和中央自動車教習所
経営管理部長 秋本 高幸

経営管理部長 秋元 当教習所は、数年前まで恐らく皆さん方の教習所より数段遅れた、旧態依然とした教習所でした。毎年ただただ同じことの繰り返すのみで、誰もがそれを当然の如く感じ、お客様に教習所の都合や論理を押し付けて当たり前であるという風潮さえありました。
そのため当然教習生の減少率は県下有数、毎年恐ろしい程の落ち込みようでした。いわゆる“負け組みの落ちこぼれ教習所”だったのです。

そこで私は「これでは当社の未来はない」と一念発起、顧客創造研究会の門を叩きました。一昨年は『実践会員』、そして昨年より東社長に直接ご指導を頂く『特別会員』としてカイゼンに取り組んでおります。

“天動説から地動説へ”というスローガンのもと、教習、募集、給与、社員教育…さまざまな“カイゼン”を試みました。例えば…

・繁忙期でもキャンセル待をすることなく約2週間で卒業できるシステム
・どのコースでも1週間で仮免許まで進める体制
・卒業後も永久に何回でも無料で運転診断を行う「永久保証」
・地域の方々に指導員が手作りの『交通安全ニュースレター』をお持ちして
 交通安全の呼びかけを行う“交通安全宣教師隊”活動

また、昨年の春と秋に2回、私と東社長が講師となり全社員対象の社員研修を1泊2日で行いました。全員で問題意識の共有化と目標の明確化を行い、夜は遅くまで“飲みにミニケーション”を図りました。この飲み会は、夜遅くまで歌って踊って議論沸騰、本当に楽しくて意義深い、思い出に残る研修になりました。
そして今年、技能教習の予習・復習が自宅のパソコンやケータイからでもできるオリジナルビデオ教材“まなぶ君”が完成。スタート早々からたくさんの教習生の方々に喜びの声を頂戴しております。

こうした取り組みを通じて、経営者はもちろんのこと指導員や事務スタッフまで考え方や物事の見方が大きく変わってきたことを、今、実感しています。

ところで…“改革”を進めるためには組織が一丸となる必要があるのですが、それととともに外部の力を有効に活用することが不可欠です。なぜなら、さまざまなカイゼンを進めていく上で自らの力だけで進めて行くには限界があるからです。どんなに優れたやり方を真似てみても、マネはあくまでマネ、思うように進んでいきません。私自身も確たる自信がありませんから、当然、幹部や現場の指導員も半信半疑、そのためスピードも遅くなり、中途半端な結果に終わってしまうのです。何より、楽しくありません。人間、テストの成績のように目に見えた成果がでなければ、楽しくないのです。楽しくないことは積極的になれませんし、継続することができないのです。
私は、思うように結果が出ないことにストレスを抱え、悩み、考え、ジレンマにも陥りました。この時、東社長の言葉が頭をよぎりました。

「幸運の女神に“後ろ髪”はない」。

何とか、独力で改革・改善をやり遂げようとしていた私でしたが、このままでは“幸運の女神の前髪”をつかみ損ねるのではないか…。
折しも、教習所を取り巻く環境は厳しくなる一方で、百年に一度と言われる大不況と、若者の“車離れ”の影響により、免許離れはさらに加速していました。私は、『実践会員』による取り組みの限界を感じるようになりました。頑張って通ってきた“東塾”でしたが、今が“家庭教師”をお願いする機会と判断しました。

そこで、2009年1月『実践会員』から『特別会員』へとアップグレードをさせて頂きました。
『特別会員』になってからは、東社長に毎月ご指導頂きながら、改革の方向性やカイゼンの精度をチェックしていただきました。我々は、東社長から毎月出される課題をそれこそ無我夢中でこなしました。そのことにより、カイゼンの速度、精度は格段にアップしました。そしてそれは、毎月の入所生数アップとなって着実に跳ね返ってきました。そうなってくると、もうみんな表情が変わってくるのです。

ここで、改革・カイゼンの歴史を振り返ってみましょう。
下の表は、2004年から5年間の当教習所の入所生実績です。

表

顧客創造研究会の『実践会員』に入会したのが2007年(第一期生)。この年は、前年の1,309名から1,204名と100名以上の減少に見舞われました。
繁忙期である2-3月に▲67名、7-8月に▲43名と、総計110名も減ってしまったことが原因です。しかし、この傾向は当教習所だけに限らず周辺の競合校も同様で、やはり入所生が激減していました。従って、地域全体で免許を取る人が減っているので、当教習所の入所生が減ってもシェアは18%前後で推移しています。
私はこの年、3日に1時限しか教習を受けられなくても、お客様が我慢して入所してくれた時代はもう終わったことを通感せざるを得ませんでした。

そこで、2008年の1月にヴェクト社の“携たっち”システムと、顧客創造研究会の配車システムを導入しました。その結果、繁忙期の2-3月で31名増、7-8月で8名増とプラスに転じ、年間で61名の増となりました。シェアも久々に20%を超え21%を獲得できました。2009年、『特別会員』となってからは、改善のスピードは一気に加速し、その結果、2-3月で36名増、7-8月で72名増となり、年間合計で112名の入所生アップを実現することができました。

ところで…ここでよく表を見ていただきたいのは、1-8月では6月だけが▲5名で、他の月はいずれも対前年に比べて増加しています。ところが、9-11月を見て頂くと、前年の282名に対し228名と20%も減少しているのです。
なぜ、それまで好調に推移してきた入所生が、突然減少に転じてしまったのか?私にはいくら考えてもその原因がさっぱりわからず、本当に参ってしまいました。そこで、東社長が教習所に来ていただいた時に原因を聞いてみたところ、東社長は次のように言われました。
「秋本部長、減少の原因は“マスク”ですよ」。

当教習所では新型インフルエンザ対策として、手洗い・うがいの励行に加え、全職員にマスクを着用させていました。ところがこのマスクが東社長いわく“浦和中央の強みの一つ”を殺してしまっているというのです。
以前、当教習所では配車の効率が悪いこともあり、生徒さんがなかなか乗れない状況が長く続いていました。従って、指導員もあまり生徒さんとコミュニケーションを取れず、「ただ乗っているだけ」の状態でした。

ところが、“携たっち”の導入によって、スケジュール表を教習生に渡すことができるようになり、指導員は生徒さんから「浦中は、早くて楽しい」という喜びの声をいただくようになりました。生徒さんに対する指導員のコミュニケーション能力も飛躍的に高まり、当教習所に対する評判は目に見えて良くなっていったのです。
そういった良さを“マスク”が殺してしまっていたのです。

マスクをしていれば表情は見えませんし、言葉も聞き取りにくくなります。その結果、生徒さんと指導員のコミュニケーションが十分に取れなくなってきたのです。しかも、路上教習で教習車に乗っている人が全員マスクをしていれば、「浦中はインフルエンザがはやっている」と思われても仕方ありません。マイナスのクチコミはあっという間に広がっていきます。

東社長からのご指摘を受けて、慌ててマスクの着用を中止しました。しかし、その影響が弱まるまで3ヶ月間を要しました。12月にやっとその影響も薄らぎ、入所生も回復に転じました。年間のシェアは24%にまで高まりましたが、あのままマスクをし続けていたらどうなっていたかと思うと、背筋が寒くなる思いです。

世の中の変化はあまりにも早く、その中で我々経営者は「車離れ」やインフルエンザなど、さまざまなリスクに対処することが求められます。変化やリスクに対応するためには、適切な判断と迅速な意思決定が不可欠です。今さらながら、毎月、東社長にアドバイスを頂くことができて、本当によかったと痛感しています。

私は、経営は一種、受験勉強に通じるところがあると思います。
例えば、有名私立大学に合格したければ、それ用に分析された最新の問題集を使用することが合格への近道です。いくら過去にすぐれた問題集だと言われたものを繰り返し学習しても、現在の傾向と対策には合致せず、徒労に終わってしまいます。

それと同様に、過去に一定の成果を収めていたビジネスモデルも、時代の流れと共に通用しなくなります。増してや毎年同じことを繰り返していたのでは、環境の変化に対応して変革し続けている他業種に比べると、まさに旧態依然とした“遅れた業界”と言われても仕方がないのだと思います。
しかし、そのことに気付いていない経営者や現実を認めようとしない経営者が、この業界には少なくないように感じられます。(ただ、そう言う私も、つい最近までは“変化できない経営者”だったのですからあまり大きなことは言えません。)

しかし…実は、ここに大きなチャンス、勝機があります。

経営者の仕事は、時代の変化を機敏に感じて、それに自社を適応させていくことだと思います。会社の進むべき方向を、正しく、早く決定することが求められます。そうすることで、経営者の努力、社員の努力そして会社全体の努力は報われますし、当然、結果にも繋がってきます。しかも、ただ結果が出るのではなく、取り組みの過程を通じて「正しい方向で努力をする」→「結果が出る」→「もっとよくしようと努力する」という“善循環”が生まれます。それは、「職員が充実して楽しく仕事できる」→「それがお客様に伝わり楽しく教習が受けられる」→「それがまたお客様を連れてくる」という職員やお客様の喜びを生み出す“善循環”でもあります。
短期間に、V字回復が可能になるのは、この“善循環”のパワーがあるからです。

この“善循環”が停まることなく回していくのが、私の使命であると思っています。
私は今、この使命を達成することに、経営者としてのやりがいを感じています。

ところで…最近、私はある教習所の方からこんなことを言われました。
「秋本さんのところ、“東一派”なんだってね」

“東一派”???私はその呼び方に驚きました。
何だか、盗賊団かテロリスト集団のような響きがしないでもありません(笑)。

しかし、私は必ずこの“東一派”が近い将来、業界の大きな流れになると確信しています。その証拠に、『特別会員校』は毎年増え続けていますし、入会後1年ですべてV字回復を実現しておられます。
会員校さんとは年に2回、『合宿ミーティング』でお会いするのですが、本気で改革に取り組んでおられる経営者や幹部の方々との交流は、私にとってこの上ない刺激であり、何事にも代えがたい大切な財産です。まさに“同志”なのです

ぜひ、皆さんも“幸福の女神の前髪”を掴んでください。
共に切磋琢磨しながら、共にお客様に喜んで頂くことを実践しながら、共に失敗もしながら、業績をアップさせていきましょう。そして、おいしいお酒をいっしょに飲みましょう。私にできることがあれば、微力ではありますがいつでもお手伝いさせていただきます。
いつか、お会いできる日を楽しみにしています。

2010年2月

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