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高齢者講習

妻の父上が初めて高齢者講習を受講した日の夜、

わざわざその様子を電話で知らせてきた。

よほど面白かったらしい。

「まるでコントを見ているようだった」と言う。

 

ある90歳の男性は、センターラインをまたいで道路の真ん中を堂々と走行しながら、

「島じゃあ、免許がなかったら生きていけんのんじゃあ」

と叫んでいたそうだ。

 

ある高齢者は合図がまだなのに一心不乱に検査結果を記入していて、

係員に「まだですよぉ」と注意されたという。

 

ある高齢者は、ロビーでタバコをふかしていた茶髪の若い女性に近づき、こう言ったそうだ。

「あんたあ、こげなところで、なにしょうるんね」。

女性はただ横目で高齢者を睨んでいたと言う。

自動車学校で若い女性が何をしに来ているかって・・・。

免許を取りに来てるに決まっている。

 

しかし、ふと思った。

高齢者と若者だけが一堂に会する場、

そんな場所は今の日本では自動車学校しかないのではないか?

そして、その場ではコントのような"暴走"や"ニアミス"が起こる。

 

ひょっとして、そこはディズニーランドよりも楽しいかもしれない。

ああ、行ってみたい。

無性に。

高齢者講習。

 

ds-ccs (2008年11月19日 20:24) | 個別ページ

カメムシ

ある教習所の宿舎に泊まった。

とても寒い夜だったので、早く寝ようと布団に入ろうとしたら、

畳の上を何かがもぞもぞ歩いている。

黒っぽくて鎧をまとったような虫。

カメムシだった。

どうしようかと考えた末にティッシュに包んで窓から逃がしてやった。

 

やれやれと思って電気を消そうと思ってふと壁を見たら、何かがとまっている。

またもやカメムシだった。

少しの間じっとしていたが突然ぶーんと飛んで畳に落ちてきた。

またティッシュにくるんで窓から逃がしてやろうとしたが、なかなか離れてくれないので、

仕方なくティッシュごと室外機の上に置いて窓を閉めた。

 

電気を消して、布団に入った。

しばらくすると、闇の中でぶーんという羽音が聞こえた。

やっぱりカメムシだった。

私はその音を聞きながら、

同じカメムシが何度も出たり入ったりしているのではないかと思った。

そう思うと、眠れなくなった。

またぶーんという羽音が聞こえた。

私の顔の上に飛んでくるかもしれない。

もう、いてもたってもいられなくなった。

しかし、どうしても起き上がる気になれなかった。

 

しばらく布団の中で目を開けたままじっとしていたが、

気がつくといつのまにか朝になっていた。

見回すと、カメムシは枕のそばにいた。

いつまでもじっとして、まるで死んだように動こうとしなかった。

 

 

ds-ccs (2008年11月11日 23:07) | 個別ページ

風評

ある教習所の経営者がこんなことを言っていた。

「競合校が、『ウチが潰れそうだ』ということを募集先で触れ回っているそうです」

いわゆる中傷営業である。

ところが、競合校の方が2期連続の赤字なのだという。

なりふりかまわない教習所のやることは、なぜこうも情けなく、低レベルで、馬鹿げているのか。

 

経営者は、こう続けた。

「今月、社員旅行で海外に行きます。社員は円高なので買物が楽しみのようです。私は必ず卒業生にお土産を買ってくるよう言いました。旅行から帰ったら卒業生宅にお土産を届けさせるつもりです」

 

なるほど。

潰れそうな教習所が海外旅行に行けるはずがない。

お土産のことはクチコミで広がるだろう。

なんだろう、この違いは。 

ds-ccs (2008年11月 7日 17:54) | 個別ページ

校門前

ある教習所が、高校の校門前近くでチラシを配っていたら、先生から注意されたという。

解禁前に生徒に免許のチラシを配ってもらっては困るという。

ある教習所では、高校の正門は先生の監視が厳しいので、裏門周辺でチラシを配っているという。

ある教習所では、正門も裏門も先生が立っているため、バス停付近で配っているという。

ある教習所では、正門も裏門もバス停も難しいので、駅の近くで配っているそうだ。

 

どうしたら、高校生にチラシを配れるのだろうか?

どうしたら、先生の目をかいくぐることができるのだろうか?

どうしたら、正々堂々と配布活動ができるのだろうか?

 

答えは簡単である。

先生が「ありがとうございます」と言って受け取ってくれるものを配ればよい。

教習所として高校の役に立つことは何か?

ほら、わかった。

 

ds-ccs (2008年11月 5日 22:52) | 個別ページ

計算

世の中には計算が苦手な人がいる。

しかも、足し算ができない人が意外に多い。

1+1=??

といった計算はできるのだけれども、

1+1+1+1+1+1+1+1+1=??

という長い足し算になると、頭から計算をしない人がいる。

かと思えば一方で、

1+1=2より多く計算しようとする人がいる。

困った人たちだ。

 

微分積分などできなくてもよいが、足し算や引き算ができなければ不幸になる。

そのことを誰でもいいから、教えてあげて欲しいと思う。

しかし、残念ながら教える人はいない。

教えても聞く耳を持たないのだろうけれど・・・。

 

ds-ccs (2008年11月 1日 23:12) | 個別ページ

ポップコーン

大学で免許説明会をするというので一日見学させてもらった。

何をするのかと見ていると、指導員さんは制服を脱いでエプロンをつけている。

なんでも生協のおまつりの日なのだそうで、自動車学校もお店を依頼されたのだという。

免許説明会なのに・・・?

 

指導員さんが手際よく材料を仕込み始めた。

まもなくして、ポンポンパチパチという音とともに、香ばしい香りが漂ってきた。

ケースの中の鍋からポップコーンがもりもりあふれてくる。

「ポップコーンはいかがですか?50円です」

呼び込みも手慣れたものである。

免許説明会って・・・?

 

私が感心していると、課長は説明してくれた。

「今日は塩味なんですが、カレー味やチョコレート味、キャラメル味も出来るんです」

なんだか、楽しそうである。

この日、朝の10時過ぎから夕方4時まで、指導員さんはせっせとポップコーンを作っていた。

免許説明会はどこへ・・・?

 

私は、帰り際にお疲れ様でしたと声を掛けながら、心の中でこうつぶやいていた。

おーい、免許説明会!

ds-ccs (2008年10月29日 18:12) | 個別ページ

都会と田舎

都会。

一戸建ての家は、門にインタホンがついている。

なので、なかなか玄関までたどりつけない。

マンションは必ずと言ってよいほどオートロックである。

なので用件を伝えても、玄関まで降りてきてくれる人はいない。

マンションも一戸建ても、インタホンにカメラが付いていることが多いので、

妙な緊張を強いられる。

 

田舎。

玄関が開いている。

なのに、呼んでも誰も出てこない。

呼び鈴はあるが、誰も押そうとしない。

なぜなら、玄関が開いているからだ。

人はいないのだが、犬がいる。

犬はどこからともなく現れてがるるるわうわう吠えるので、油断は禁物である。

やっぱり妙な緊張を強いられるのである。

 

ds-ccs (2008年10月26日 22:52) | 個別ページ

愛を語る

愛を語る経営者がいる。

と言っても、歯の浮いたような言葉は決して口にしない。

最初に聞かされるのは、おやじギャグである。

数秒間、誰も笑わない。

そのうち一人がこらえきれずにちょっとだけ笑う。

つられてみんなが笑う。

その場の空気がなごんでいくのがわかる。

 

次に聞かされるのが、いわゆるシモネタである。

どんな話題になっても、

「それは男と女の関係といっしょや」

と言って、シモネタが繰り出される。

みんなうつむいて笑っている。

「出た~」と言って喜んでいるのは私である。

場の雰囲気がさらになごむ。

 

そして、経営者は最後にひとこと、こう言う。

「愛だよ、まさしく」。

 

この言葉に、私はいつも、感動を覚えるのである。

 

ds-ccs (2008年10月23日 22:27) | 個別ページ

どんより2

以前、どんよりしていた教習所に久しぶりに行った。

やはりどんよりしていた。

どんよりしたまま帰るのもどうかと思い、

30代のバツイチの女性が結婚相手を見つけるための戦略について話をしてみた。

 

「いくら合コンに出ても、ろくな男しかいませんよね」

と言うと、みんなにたにた笑っている。

「彼女のいる男性を狙った方がいいでしょう」

と言うと、みんなうんうん頷いている。

「教習所も戦略がなければ大変な時代なのです」

と言うと、またどんよりとした雰囲気になった。

 

時間になったので、「では終わります」と言うと、みんな部屋から出て行ってしまった。

窓から空を見上げると、秋の青空にどんよりとしたうすい雲がかかっていた。

 

ds-ccs (2008年10月22日 20:45) | 個別ページ

誰か・・・

ある教習所の経営者からこんなことを言われた。

「ウチの事務員で独身で四十になるコがいるんですけど、誰かいい人いませんか?いたらぜひ紹介してください」。

この事務員さん、すらりと背が高く、長い髪がよく似合う、なかなかの美人である。

とても四十には見えない。

「私が知っているのはバツイチばかりですよ」

と冗談を言うと、それでもかまわないと言う。

おもしろくて、やさしすぎず、ちゃんと仕事をする人であれば、ルックスは問わないという。

しかも年齢は40代までならかまわないそうだ。

 

ある教習所で49歳のまったくの未婚の男性に、この話をしてみた。

副管理者で、正義感が強くまじめな人である。

余計なことだが預貯金は多いらしい。

嫌がるその男性に、彼女の画像を見せて勧めてみた。

ところが、この男性はたちまち首を横に振った。

「ダメです。私はおもしろくありませんから」。

む・・・全くもってその通りだ。

 

最近、別の教習所の男性(37歳)にお酒の席で冗談まじりで勧めてみた。

すると、年上でも全くかまわないと言う。

少し距離は離れているが、出張で時々近くに行くからその気になれば会えるのだそうだ。

けっこう話が盛り上がってきたので、つい私が、

「理想の男性は、B'zの稲葉浩志だそうです」と言うと、

とたんに静かになってしまった。

 

誰か、我こそはと名乗りをあげる人はいないだろうか?

彼女といっしょになれば、大きなメリットもある。

まず食べることに困らない。

実家がお米屋さんなのである。

ds-ccs (2008年10月20日 21:18) | 個別ページ