妻に年賀状を出してみた。
元日にそれを見つけた妻は予想以上に喜んでいた。
「じーん」ときて泣きそうになったと言う。
妻は、その年賀状を写メールして実家の父上、母上に送ったところ、
それを見たご両親は本当に泣いたそうである。
ほとんど冗談半分のつもりだったのに。
言葉にするのが照れくさいことがある。
面と向かって言いにくいこともある。
それをはがきで伝えると、言葉の何倍、何百倍にもなって相手に届く。
はがきさん、ありがとう。
妻に年賀状を出してみた。
元日にそれを見つけた妻は予想以上に喜んでいた。
「じーん」ときて泣きそうになったと言う。
妻は、その年賀状を写メールして実家の父上、母上に送ったところ、
それを見たご両親は本当に泣いたそうである。
ほとんど冗談半分のつもりだったのに。
言葉にするのが照れくさいことがある。
面と向かって言いにくいこともある。
それをはがきで伝えると、言葉の何倍、何百倍にもなって相手に届く。
はがきさん、ありがとう。
昨日の深夜2時、ニュースレター新年号が完成した。
最後の5行に1時間を要した。
予想外の難産である。
さっそく、ある自動車学校の経営者にメールで送った。
今朝、パソコンを開くと感想メールが届いていた。
着信時刻は4時39分。
その経営者はすぐに別の自動車学校にも転送してくれていた。
送信時刻、5時03分。
自分の自動車学校にもネット上で回覧してくれていた。
その時刻、7時40分。
午前2時の完成からわずか6時間で、
100人以上の人に読むことのできる環境が創られたことになる。
私はまだ、顔も洗っていなかった。

あたくしはプリンセス、マハロ(名前)。
ご先祖は、はるか遠い国、スコットランド。
名前の由来は、ハワイの現地語で「ありがとう」。
でも、出身は愛媛県。
気がついたら広島県。
あたくしはマハロ。
プリンセス、マハロ。
愛くるしさにオーナーもメロメロ。

妻が不敵な笑みを浮かべて言った。
「裁判員制度の封筒が届いたのは、私くらいのものですわ。うふふ」
私の知人やお付き合い先でも、封筒が届いた人はいない。
妻は、引出しにしまい込んだ裁判所からの封筒を取り出して、私に見せてくれた。
何かが入っている。
宝くじだった。
妻は、普段当たらないものが当たったことから、
それにあやかりたいと宝くじを買ってきたのであった。
うーん...。
彼女は、大きな勘違いをしている。
人は一生のうち、普段当たらないものが当たることがある。
それは、町内会の役員だったり、車(交通事故)であったり、宝くじであったりする。
妻の場合、それが裁判員制度だったのだ。
従って、宝くじは当たらない。
絶対に。


ある日曜日に電車に乗った。
終点近くになってふと気付いたら、
誰も乗っていなかった。
妙な感覚にとらわれた。
何だか、このまま空を飛んでいってしまいそうな気がした。
明日からまた出張である。
移動は飛行機だ。
30人乗りのプロペラ機に創造力を喚起するものは何もない。
あるのは「今日も揺れるかもしれない」という憂鬱と、
プロペラがとまるまで続く不快な振動だけである。
来た。
来た。
来た。
うちに来た。
何が来た。
封筒が来た。
どこから来た。
最高裁判所から来た。
誰に来た。
妻に来た。
妻は「なんて、ついてないの」と、
封筒を台所の炊飯器の下の引出しにしまいこんでしまった。
それでも、ひととおり書類には目を通したらしい。
同封されていたコミック冊子にこんなことが書いてあった、ふん、そんな訳ないでしょ、
と、鼻で笑っていた。
ぶつぶつ言うだけ言って、最後にこう言った。
「でも、まあ、日当1万円もらえるんだから、いっか」
ここは大事なポイントである。
観念するための額は5千円でも8千円でもダメなんだと思う。
1万円。
その甘美な響き。
でも、
それでいいのか、
裁判員制度。
ある教習所の経営者からこんなことを言われた。
「ウチの事務員で独身で四十になるコがいるんですけど、誰かいい人いませんか?いたらぜひ紹介してください」。
この事務員さん、すらりと背が高く、長い髪がよく似合う、なかなかの美人である。
とても四十には見えない。
「私が知っているのはバツイチばかりですよ」
と冗談を言うと、それでもかまわないと言う。
おもしろくて、やさしすぎず、ちゃんと仕事をする人であれば、ルックスは問わないという。
しかも年齢は40代までならかまわないそうだ。
ある教習所で49歳のまったくの未婚の男性に、この話をしてみた。
副管理者で、正義感が強くまじめな人である。
余計なことだが預貯金は多いらしい。
嫌がるその男性に、彼女の画像を見せて勧めてみた。
ところが、この男性はたちまち首を横に振った。
「ダメです。私はおもしろくありませんから」。
む・・・全くもってその通りだ。
最近、別の教習所の男性(37歳)にお酒の席で冗談まじりで勧めてみた。
すると、年上でも全くかまわないと言う。
少し距離は離れているが、出張で時々近くに行くからその気になれば会えるのだそうだ。
けっこう話が盛り上がってきたので、つい私が、
「理想の男性は、B'zの稲葉浩志だそうです」と言うと、
とたんに静かになってしまった。
誰か、我こそはと名乗りをあげる人はいないだろうか?
彼女といっしょになれば、大きなメリットもある。
まず食べることに困らない。
実家がお米屋さんなのである。
長い出張を終え、空港で航空券を求めようと行き先を告げたら、
「欠航です」と言われた。
欠航?
一瞬何のことだか意味がわからなかった。
つまりは、飛行機が飛びませんということだ。(当たり前か)
1日1便なのに。
仕方が無いので一番近くの空港に飛んで、そこから新幹線を利用することにした。
時間が倍以上かかる上に、交通費も余分にかかる。
が、怒っても泣いてもどうにもならない。
ため息をつきながら、私は観念した。
しかし、飛行機という乗り物は、こうしたリスクといつも隣り合わせだ。
まともに時間通りに着く、などと思ったらひどい目に遭う。
だいたい2回に1回は時間通りに発たない。
ということは当然のことながら時間通りに着かない。
着かなければ、連絡する交通機関にも遅れる。
遅れると帰宅時間が遅くなる。
しかも機内では、あれもしてはいけない、これもしてはいけないと実に制約が多い。
乗るまでが大変なのに、乗ってからも安らげない。
座席は狭く、窮屈極まりない。
シートがほころびたりなんかしていると、心がすさんでしまう。
風が吹くと揺れるし、気流が悪くても揺れる。
富士山は黒くて、ちっともきれいではない。
だったら乗らなければいいではないか。
そうもいかない。
東北から九州まで、出張先は広域に渡る。
決して小さくないリスクにおびえながら、また飛行機に乗らなければならない。
今回の欠航について、納得いかない点があったので、
ホームページから問い合わせをしてみた。
返事が来たのは、なんと5日後だった。
もう目を通す気も起こらないので、すぐにゴミ箱に捨ててしまった。
日本中の飛行機が全部、サウスウエストならいいのに。
無理だけど。
長い出張でたまっていたメールの中に、
その知らせはあった。
福岡の指導員さんからのその知らせは、
私のよく知っている指導員さんの訃報だった。
私と同い年のその人は、
夏も終わろうとするある日の夕方、
突然帰らぬ人となった。
そう言えば、血圧が高いと言っていた。
長いこと薬が合わなかったが、
やっと自分に合う薬が見つかったと言っていた。
ずいぶん前のことである。
しかし、ここ数ヶ月は、薬を飲んでいなかったらしい。
彼とはこれまでどんな話をしてきたのだろう。
お酒を飲んだのはいつだったか。
どんな理想を語っていたか。
どんな現実を嘆いていたか。
思い出そうとしても、思い出せない。
彼がいなくなったこと自体、
いまだに受け容れられないでいる。
「パーマをかけてきます」
そう言って、妻が出かけていった。
昨夜、ホットペッパーをしばらく眺めていたが、そのうちハサミを取り出して切り取っていたのは美容室のクーポンだったらしい。
数時間経って、妻は帰ってきた。
髪を見るとたしかにパーマがかかっている。
私が
「十和子巻きだね」
と言うと妻は、
「いまどき、十和子巻きなんてありません」
と憮然として向こうに行ってしまった。
その翌日、妻が行った美容室からハガキが届いた。
サンキューレターである。
幾重にも手描きで線を引いて、それに沿って文章が書かれている。
横には、スタイリストと名乗る男性の名前も書いてある。
初めてのお客を獲得するのに比べると、一度来たお客に再び来店してもらう方がはるかに簡単だし、コストもかからない。
従って、再来店をそれとなく促すサンキューレターにも自然力が入る。
妻はそのハガキを見ながら、
「よくこんなハガキが書けるわね。私には絶対に無理だわ」と言った。
私も心の中で「無理だろうな」と思った。