突然大きな声の男性が家にやってきた。
彼は、私が利用している百貨店の法人担当である。
時々、忘れたころに尋ねてくるが、顔も名前も知らない。
その百貨店の紳士服売り場で買い物をすると、
なぜかいつもこう聞かれる。
「法人担当の〇〇さんに(実績を)付けておきましょうか?」
そこでいつも私は戸惑う。
それ、誰?
法人担当って何?
「いつも6階の売り場をご利用いただき、ありがとうございます」。
そう言って男は、百貨店の催事案内をして帰って行った。
私は妻に、「今の法人担当か?」と聞いてみた。
妻は、「うん、法人担当」と答えた。
いつのまにか彼のことは、
「法人担当」と呼ぶのが慣例となってしまった。
それでいいのか法人担当。
顔と名前を憶えてもらえるような何かをしないと、
今後ずっと「法人担当」のままである。
どうする、法人担当。
どうもしなくてよいが。

