妻の実家にはミーというメス猫がいる。
ミーは元野良猫である。
モグラやネズミやスズメを捕獲しては、
バラバラにするという習性があるものの、
気ままに平和に暮らしていた。
ところが、近所にニャン太というオス猫がやってきた。
やはり野良猫だったが、斜め向かいの家で飼われ始めた。
ミーは、このニャン太にちょっかいを出し始めた。
縄張りを守ろうとしたのだろう。
最初は、ミーの方がケンカをしても勝っていた。
しかし最近では、ニャン太の身体が大きくなり、
ケンカをしても歯が立たなくなった。
その内、ニャン太はどこかから彼女を連れてきた。
ほどなく、ニャン太の恋人は子供を身ごもった。
ミーは避妊しているので、
ニャン太の恋の相手にはならなかったのである。
ところが、このメス猫の妊娠を知ったニャン太の飼い主が、
あろうことか、メス猫をどこかに捨ててきてしまった。
恋人がいなくなったことに気付いたニャン太は、
その怒りをミーにぶつけるようになった。
ニャン太はミーを追いかけ回した。
恋人を返せとばかりに。
そしてある時、ミーは2階の屋根から転げ落ちた。
ケガはなかったものの、
それ以来、ミーは家から出なくなった。
ニャン太は、恋人を求めて鳴くようになった。
動物が不幸に見舞われる原因は、すべて人間にある。
連日、雨が降り続く中、
ニャン太の恋人は身重のまま、
いったいどこでどうしているのだろう。

