ある部長に同行した。
卒業生のお宅に行くと、
アポイントを取ったにもかかわらず留守であった。
部長は狼狽した。
「これって、ふ、不在になりますよね」
そりゃそうだ。
だが、帰ろうとした時に、庭の奥からおじいさんが出てこられた。
部長はとたんに元気になった。
おじいさんは奥でおばあさんとともに、
ピーマンの皮剥きの仕事をしていたのだった。
「不況でどこも大変です」という世間話をしていたら、
唐突に部長が私を指さしてこんなことを言った。
「私もこうして監視人をつけられているんです。
きちんと仕事していなければ私の首も危ないんです。えへへへ」
こらこらこらこら。
誰が監視人じゃ。
どうせ言うのなら、もっとかっこよく、
「仕分人」とか言わんか。
しかし、おじいさんとおばあさんは、
私には目もくれず、ピーマンの皮を剥き続けていた。

