テレビでオリンピックの開会式を見た。
画面には、芸術的で色彩豊か、スケールの大きい
オープニングセレモニーが映し出されていた。
いっしょに見ていた妻が不服そうな表情で言った。
「なんか・・・臨場感に欠けるよね」。
「うん」。
私もうなづいた。
これだけの開会セレモニーを見て、
迫力を感じないのには訳があった。
前日に、『インビクタス』という映画を観ていたからである。
この映画は、1995年に南アフリカで開催されたラグビーのワールドカップで、
初出場で開催国の南アフリカが優勝するまでの道程を描いた作品である。
それ以前の南アフリカは、
人種隔離政策アパルトヘイトが国際社会に非難され、
参加資格さえ与えらなかったのである。
映画では迫力あるラグビーの試合が再現されたいた。
とりわけ決勝のニュージーランド・オールブラックスとの試合は、
その壮絶な戦いぶりを、見事なまでの臨場感で描き切っていた。
まるで、観客もいっしょになって戦っていて、
いっしょになって応援しているような、
選手同士が激突する痛みや、じりじりと手に汗握る感覚を
リアルに体感できる作品であった。
オリンピックの演出も見ごたえ十分ではあったと思うが、
さすがに、『インビクタス』の後では影が薄かった。

