所用で区役所に行った帰り、
普段は通らない細い道を車で走っていると、
いつのまにかスーパーができている。
助手席にいた妻に「入ってみる?」と聞いたら、
「うーん・・・看板に業務用って書いてあるからいい」と言った。
通り過ぎようとして何気に店舗を見ると、
店内はオレンジ色の蛍光灯(電球色)を使用していて、
何だかとてもいい感じである。
通常の業務用スーパーとは全く感じが違う。
しかも、駐車場がほぼ満杯である。
平日なのに。
我々は興味深々でそのスーパーに入ってみることにした。
妻を先に行かせ、私は駐車場が空くのを待った。
店に入ろうとしたら、
外に陳列された果物を見ている妻の目が爛々と輝いている。
私の顔を見て言った。
「安い。マジで」
どれくらい安いのかと言うと、
通常、他の店で買うと、白菜4分の1が98円。
それが、この店では2分の1で78円。
同じブランドのバナナが他店より100円安。
長崎産のポンカン一袋(8個入り)はなんと198円。
大きめのサンふじリンゴ一個78円。
店内はいたるところに行列ができており、
カートで進むのも一苦労であった。
天井から下がっているPOPに目が止まった。
「他店を圧倒する価格」。
大胆不敵で挑発的なキャッチコピーである。
しかし、安さだけではお客の支持は続かない。
我々は、そのお店で買った298円の鮭弁当を家に帰って食べてみた。
うまい。
鮭に脂がのっていて実においしい。
ためしにネコにやってみると、
ちょっとでも鮮度や味が落ちると食べようとしない当家のネコが、
鼻息を荒くして、あっという間に完食した。
価格は期待をはるかに超えて安く、
価値も価格をはるかに超えて高い。
繁盛するはずである。
百年に一度の不況は、
究極のビジネスモデルを生み出している。

