戦争の傷痕。
民族紛争。
宗教対立。
人種差別。
家族の断絶。
若者の暴力。
ひとりの老人とその隣人を描いたこの映画には、
世界のあらゆる闇と苦悩がにじんでいる。
暴力に対して、老人は力でねじ伏せようとする。
しかし、それがさらなる暴力を生み出す。
憎しみは憎しみを生み、報復に終わりはない。
それを食い止めるため、最後に老人が取った行動に、
観客のすすり泣く声が、映画が終わった後もしばらくやまなかった。
監督で主演のクリント・イーストウッドは、
この映画を撮り終えて、こう言った。
「これからは、監督業に徹する」。
今年5月で80歳。
なんという、かっちょいいジイさんだろう。

