ある経営者が、こんなことを言った。
「いやあ、便利な世の中になりましたね。
でも、なんで世の中はこんなに悪いんでしょうね?」
たしかに、その通りである。
便利な世の中なのに、不幸な人があまりに多い。
便利とは、言い換えれば「楽ができる」ということである。
楽ができるのはよいことではある。
私が小学生の頃、風呂は火を焚いて沸かしていた。
夕方の4時から2時間かけて。
今では、スイッチひとつ、
ものの10分で41℃の風呂が沸く。
しかも、「お湯張りができました」とアナウンスまでしてくれる。
音楽入りで。
便利になって、楽になった。
しかし、ひょっとすると、楽をしてはいけない事まで、
人は楽をするようになったのではないか。
不幸とは孤独である。
便利と孤独は隣合わせのものなのかもしれない。

