ある自動車学校で、指導員さんに同行した。
今日はとにかく寒くて風が強い日であった。
雪などめったに降らない地域にもかかわらず、
遠く山の頂はうっすら白くなっていた。
しかし、寒い日は寒い日なりによいこともある。
ひとつは、在宅率が高いことである。
今日はなんと100%であった。
それと、家の中に入れてもらえるチャンスでもある。
もちろん、「寒いから入れてください」とは言わない。
「お寒いでしょうから、閉めますね」と言えば、
簡単に家の中に入れてもらえる。
ところが、そんなことはおかまいなしの指導員さんもいる。
玄関のドアを開けたまま平気で話をしている。
私は、ドアを手で持ちながら、
その冷たさにひたすら耐えなければならない。
「中に入って話せんかい!」
私は心の中でそう叫びながら、じっとドアを支えていた。
寒いと、お客様も早く帰ってほしいと思うし、
こちらも早く帰りたいと思う。
家の中に入るということは、ずうずうしいと思われがちだが、
相手の立場に立てば、その方が喜ばれるのである。
気づけよ。
頼むから。
寒いんだって、おれが。

