安心安全。
よく聞く言葉である。
では、安心と安全はどう違うのか?
と聞かれると、なかなか答えが出てこない。
「安全速度」とは言うが、「安心速度」とは言わない。
ある経営者が、こんなことを言っていた。
「安心」は主観、「安全」は客観。
「安心」という字は、「心が安らか」と書き、
「安全」という字は、「全てが安らか」と書く。
つまり、「安心」とはおのおの一人ずつが感じるものであり、
「安全」は全ての人が共通して感じるものだろう。
制限速度40キロというのは、「安全速度」である。
従って、すべての運転者が事故を起こしにくい速度である。
ところが、だからと言って安心できるかと言うと、
それは個々のドライバーによって違ってくる。
いくら妻が40キロの制限速度を守っていても、
助手席の夫は、生きた心地がしないというケースは珍しくない。
「も、もう二度とお前の横には乗らん!」
これでは、とても「安心」とは言えないだろう。
夜の国道を150キロの猛スピードで黒塗りの車が走っている。
助手席には髪の長い女が、口元に笑みを浮かべて座っている。
そして、運転している男にこうつぶやく。
「あたし、ヒロシのそばにいると、ホッとするんだよね」。
「安心」しているのである。
安心安全。
奥の深い言葉である。

