ある研修で、事業再生を手がける専門家がこんな話をしていた。
「中小企業の場合、ひとつの事業モデルを
何十年も守り続けてきた、というケースが少なくありません。
従って、事業が行き詰まった時、大企業のように"選択と集中"という
方法を取ることができないのです。
また、中小企業にはカネもなければモノも限られています。
つまり、事業を再生しようとする場合、極めてヒトが大事になります。
ヒトとは従業員さんのことです。
ですから、資金繰りが苦しいからと言って、給料を遅らせたりカットするという方法は、
極力採るべきではないのです」。
また、こんな話もしていた。
「事業再生の相談に来る経営者の中には、
すでに銀行への返済が滞っていたり、社会保険料を払っていなかったりしているのに、
『今、カネさえあればうまくいく』という話しかしない人がいます。
そんな経営者では、まず再生はできません」。
ヒトを大切にして、暗部もすべてさらけ出す会社には、
「噛んで含んで口移しで」やるべきことを教えるのだという。
「噛んで含んで、口移しで」。
この言葉が、
しばらく頭の中をぐるぐるとまわっていた。

