朝食を食べていたら、
私の後ろに置いてある専用トイレに猫が近づいてきた。
当家の猫は、必ず私たちの食事中に用を足しにくる。
もう少しタイミングを考えてくれればよいのだが、まあ、そこは猫である。
ところで、当家の猫は時々トイレをしくじる。
トイレの中に入りきらないまま用を足すので外にこぼしてしまうのである。
従って、きちんとした場所と態勢で用を足しているか、
食事を中断して注視していなければならない。
私は、振り返ったまま、猫と目を合わさないように観察をしていた。
すると、完全に入りきらないまま排便の態勢にはいってしまった。
「やばい」。
私は、猫をトイレの中に押し入れようと、
イスから身体をよじりながら立ち上がった。
ところがその拍子に、バランスを崩してしまい、
よろけながら肩から壁に突っ込んでしまった。
それを見た妻が、しばらく「ククク」と笑いを噛み殺した後でこう言った。
「じいさんか」。
朝食が済んで、家電店に古くなったオーブンを買いに行った。
帰りの車の中で突然、妻が「ククク」と思い出し笑いを始めた。
何だろうと思って、助手席の方を見ると、
私の顔を見ながら言った。
「じいさんか」。
足腰が弱っていることは否定しないが、
二度もじいさん呼ばわりをされると、面白くない。
今度、トイレをしくじってやろうか。

