「フィールドの部で優勝する」。
私はキャプテンの言葉に耳を疑った。
たった3人で、優勝なんてできる訳がない。
しかし、キャプテンは決して無理ではないと、
その根拠を次のように語った。
「まず、ワシが出場する3種目で、すべて優勝する。
ほんでもって、川崎が出場する2種目でどちらも2位になる。
これで、28点になるじゃろ」
キャプテンは過去の大会から、
優勝ラインを30点前後と読んでいたのである。
ちなみに、団体戦と言っても、
柔道のように団体戦がある訳ではなく、
個人成績の点数を合計して順位を決めるのである。
たとえば、ある種目で優勝すれば6点、
2位なら5点・・・というように6位入賞まで点数が与えられる。
つまり、
キャプテン・・・6点×3種目=18点
川崎・・・5点×2種目=10点
二人の合計・・・18点+10点=28点。
それにしても、実力があるとは言え、
「ワシが出場する3種目で、すべて優勝する」
と言い切る自信はたいしたものだ。
しかし、仮に28点を獲得することができても、あと、2点足らない。
できれば、もう3,4点は上積みしたいところである。
後輩が一人、三段跳びで何とか決勝に残れそうであったが、
それだけではどうにも心もとなかった。
そこでキャプテンは、
同じクラスでヘビースモーカーのモリくんをスカウトし、
その大会だけに出場させるという奇策に出た。
キャプテンがモリくんに出場させようとしたのはなんと棒高跳びだった。
棒高跳びは、度胸とテクニックが求められる難度の高い競技である。
しかし、そんな競技だけに出場者も少なく、
毎年、エントリーはわずか5,6人であった。
キャプテンはそこに目をつけたのである。
あれあれ。
この話、まだ続く。

