指導員のAさんは、
普段そんなに気にならないものの、
訪問先ではかなり高い声で話をする。
しかも、早口である。
家でくつろいでいたら、突然やってきたAさんに、
インタホン越しにハイテンションでキンキンまくしたてられたら、
お客さんは引き攣ってしまうかもしれない。
なので私はAさんに、
訪問先でしゃべっている自分の声を聞いてもらった。
私が録音していたのである。
Aさんは自分の声をじっと聞いていた。
そして、聞き終わった後で、こう言った。
「・・・こうやって改めて聞いてみると、僕の声って高いですね」
やはり、改めて聞いてみないとわからないのである。
「それに早口だし・・・まるで"〇ャパネット〇か〇"の社長みたいですね。はははは」
その日、Aさんは意識して声を下げて話をし始めた。
おやおやと思って聞いていると、大事な話になるやいなや、
Aさん特有の甲高い声になった。
なんと、見事にメリハリが効いているのである。
後でそう言ってあげたら、Aさんはうれしそうに笑った。

