車で空港に向かう途中、
容赦ないほどの勢いで雨が降った。
暗黒の景色と叩きつける雨音で、
仕舞には気が滅入ってきた。
空港に着いて建物の中に入ると、
カメラを抱えた人たちが、同じ方向を向いて構えている。
何だろうと思ってその方向に目をやると、
こちらに向かってゆっくりと歩いてくる人がいた。
テレビでおなじみの、あるプロ野球チームの監督だった。
阪神ファンの私からすれば敵将である。
しかし、その監督はさわやかに水色のジャケットを着こなし、
口元には微笑を浮かべ、涼しい顔をして歩いている。
私はこの時、天候のせいもあるとは言え、
不覚にも、H監督が「かっこいい」と思ってしまった。
阪神が強いかどうかは別にして、
水色のジャケットをこれだけさわやかに着こなせる人物はいない。
だから勝つしかないのである。
勝ってくれよ。
頼むから。

