妻のご両親が遊びに来られた。
話を聞いていると、最近、占いをしてもらったと言う。
占いと言っても、お金を払って占ってもらうものではない。
ご両親がよく行かれる宝飾店の催事で、無料の占いコーナーがあるというので、
二人で出かけていって占ってもらったらしい。
そこで、お義父様はこう言われたそうである。
「心臓はもう心配ないようですが、足が心配ですな」。
ご本人はもちろんのことお義母さまも驚いた。
昨年、心臓のカテーテル手術をしていたからだ。
しかも、足は若いころに大きな事故で骨折しており、今も後遺症を抱えている。
次にお義母様がこう言われた。
「大変でしたね。つらい時期がありましたね。
でも、今はその時の表情とは全く違っていますよ」。
ご本人はもちろんのこと、お義父さまも驚いた。
たしかに精神的にとてもつらい時期があり、そのことは私たちもよく知っている。
「なんで、わかるんじゃろうか?」
ご両親は不思議そうな顔をしている。
私は、お二人の占いの結果について少し考えてみた。
まず、お義父さまであるが、
70歳を超えた男性であれば、ほとんどの人が何らかの生活習慣病を患っている。
心臓疾患を抱える人も少なくないだろう。
足については、お義父さまは少し不自由そうに歩かれるので、
よく観察していれば足が悪いことはわかる。
心臓が悪いことも、何か外見でわかるのかもしれない。
次にお義母さまであるが、
やはり、その年代の女性であれば、
夫婦や子供の問題など、誰もが精神的につらい時期があるはずだ。
また、「今とは表情が違う」と言うのも、
精神的に苦しい人が宝飾店のイベントに来れるはずがないので、
つらい時期と表情が全く違うのも当たり前である。
OLの占いでも、手相を見ながら
「うーむ、あなたの場合、仕事か恋愛でお悩みですな」
と言えば、ほぼ100%当たるそうである。
「遺産相続で家族がもめてまして」というOLなどいない。
そして、あとは表情を観察すれば
「仕事」か「恋愛」かは概ね見当がつく。
と言うことは、占いとは「確率」と「観察」で、
概ね、その人の悩みや問題点を当てることができそうである。
そうやって「なんでわかるの?」という気持ちにさせることが、
成功のポイントなのだろう。
加えて、先人が積み重ねてきた膨大なデータにより、
生年月日による性格や習性の判断も、今は簡単に検索可能だ。
占いの結果に気分をよくされたのか、
ご両親は宅配ピザをおいしそうにたいらげて、
笑顔で帰って行かれた。
占いという仕事も、お客を幸せにすることなのである。

