昼食を済ませて片付けをしていたら、
ふいに携帯が鳴った。
誰かと思ったら妻のお父様からであった。
珍しい。何の用事だろう?
ひょっとして急用だろうか。
そう思って出てみたら、お父様の緊迫感のある声が聞こえてきた。
「さっき、〇〇(娘=私の妻)のところに電話掛けたら出んのじゃが、
何かあったんじゃろうか?」
妻は買い物に出ていた。
携帯はバッグに入れたままなので出ないことも多い。
「特に何もありません。みんな元気です。
今日は外出していますので携帯をバッグに入れて
気付かないのだと思います」
私がそう言うと、「それならええんじゃが」と言って電話が切れた。
妻にメールをしたら「今、電話したとこ」と返信が返ってきた。
じきに妻が帰ってきたので、
実家で何かあったのか、と聞いてみた。
すると、妻は言った。
「別に何もありません。元気かどうか電話したら出なかったので、
心配になって広ちゃん(私)に電話したということでした。
なかなか、子離れできないのです」
そう言えば、50歳になる妻の兄は、
ほとんど毎週、ひとりで実家に帰ってきては、
ご飯を食べて帰っていくそうである。
息子は親離れできていないということだろうか?
親が子を、子を親が心配する気持ちはもちろんよくわかる。
が、そんなに家族が一丸になって、どうするのだろう。
『家族そろって歌合戦』にでも出るつもりなのだろうか。



