山あいの高原にある自動車学校に行った。
のどかなコースには黄色い花が咲いている。
会話が途切れると、とたんにしんと静まり返った。
この学校には隣町から通ってくる生徒さんが多いという。
ところが、学校への道のりは登りの峠道が30分も続く。
カーブが多いため、中にはバスに酔ってしまい、
通学をあきらめてしまった生徒さんもいるという。
私は、こんなに熾烈な送迎ルートをこれまで見たことがない。
おまけに冬になると雪が積もるという。
西日本なのに。
思わず、「ああ、野麦峠」という映画を思い出した。
大竹しのぶ扮する女工さんが重労働を強いられて病気になってしまう。
故郷に帰される途中で、「村が見える」と言って息を引き取るシーンは今でもよく憶えている。
この学校には、年間数百名もの生徒さんがこの道をバスで通ってくるのだそうだ。
毎日、峠を越えて通う高原の自動車学校には、
私にはわからない魅力が隠されているのかもしれない。
それとも、この地域の人たちが忍耐強いのか。
いまだに謎である。


