甥っ子の結婚式に出た。
式が終わって、披露宴のテーブルにつくとカードが置いてあった。
中を見ると、新郎からの直筆のメッセージが書いてあった。
読んでみると、「遠くから来てくれてありがとう」といった、ありきたりの内容だった。
ところが妻のメッセージにはこんなことが書いてあった。
「僕が初めて出席した結婚式が広之おじさん達の結婚式でした。あの時おじさん、歌っていましたね」。
驚いた。
私が結婚したのは今からちょうど20年前だから、
新郎が10歳の時である。
彼は、私の結婚披露宴を憶えていたのだ。
実は、私たちの披露宴は、特に妻の親族から悪評を浴びた。
理由は、新郎が目立ちすぎて花嫁があまりに目立たなさすぎたからである。
「あれじゃあ、花嫁がかわいそうだ」と言われた。
しかし、あれから20年経って、
あの披露宴は決して無駄ではなかったことがわかった。
なぜなら、この日新朗は、ピアノを弾きながら自分で歌っていたからだ。
披露宴とは新郎が歌を披露する場なのだ。
彼は小学生の時に私からそう学んだのである。
私は、新郎の歌を聴きながらこう思った。
「ピアノはまあまあだが、歌は私の方がうまいな」。
若い二人に、幸多かれ。

