妻の声がみるみる冷淡になっていく。
「あのう、うちはありませんのでいいです」。
「けっこうです」。
「いいです」。
「ですからけっこうです」。
ピ。
最後は相手がしゃべっている途中にもかかわらず電話を切った。
聞いてみると、相手は〇TTの代理店と名乗り、
家にパソコンはあるか?
と聞いたらしい。
妻は「ある」と答えれば、その先に売り込みが待っていると思い、
「ない」と言ったら、今度はパソコンのセールスを始めたという。
こちらの言うことを無視してしゃべり続けるので、途中で切ったそうだ。
ものが売れない時代、何が何でも売らなければと思う気持ちが、
こういった馬鹿げた売り方になる。
以前も同じような電話が何度かかかってきたが、
「パソコンはない」と言えば相手はあきらめて切っていた。
2回行ってダメなら、3回。
3回行ってダメなら、4回。
パソコンがないと言われたら、パソコンを売る。
お金がないと言われたら、ローンをすすめる。
それでも断られたら、「お金はいつでもいいですから」。
粘る。
食い下がる。
根性を出す。
食らいつく。
夜討ち朝駆け。
断られた時がスタート・・・。
ふと思った。
「なり済まし詐欺」の方がよっぽど知恵を絞っているだろ。
いや、マジで。

