愛を語る経営者がいる。
と言っても、歯の浮いたような言葉は決して口にしない。
最初に聞かされるのは、おやじギャグである。
数秒間、誰も笑わない。
そのうち一人がこらえきれずにちょっとだけ笑う。
つられてみんなが笑う。
その場の空気がなごんでいくのがわかる。
次に聞かされるのが、いわゆるシモネタである。
どんな話題になっても、
「それは男と女の関係といっしょや」
と言って、シモネタが繰り出される。
みんなうつむいて笑っている。
「出た~」と言って喜んでいるのは私である。
場の雰囲気がさらになごむ。
そして、経営者は最後にひとこと、こう言う。
「愛だよ、まさしく」。
この言葉に、私はいつも、感動を覚えるのである。

