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2008年10月アーカイブ

ポップコーン

大学で免許説明会をするというので一日見学させてもらった。

何をするのかと見ていると、指導員さんは制服を脱いでエプロンをつけている。

なんでも生協のおまつりの日なのだそうで、自動車学校もお店を依頼されたのだという。

免許説明会なのに・・・?

 

指導員さんが手際よく材料を仕込み始めた。

まもなくして、ポンポンパチパチという音とともに、香ばしい香りが漂ってきた。

ケースの中の鍋からポップコーンがもりもりあふれてくる。

「ポップコーンはいかがですか?50円です」

呼び込みも手慣れたものである。

免許説明会って・・・?

 

私が感心していると、課長は説明してくれた。

「今日は塩味なんですが、カレー味やチョコレート味、キャラメル味も出来るんです」

なんだか、楽しそうである。

この日、朝の10時過ぎから夕方4時まで、指導員さんはせっせとポップコーンを作っていた。

免許説明会はどこへ・・・?

 

私は、帰り際にお疲れ様でしたと声を掛けながら、心の中でこうつぶやいていた。

おーい、免許説明会!

ds-ccs (2008年10月29日 18:12) | 個別ページ

都会と田舎

都会。

一戸建ての家は、門にインタホンがついている。

なので、なかなか玄関までたどりつけない。

マンションは必ずと言ってよいほどオートロックである。

なので用件を伝えても、玄関まで降りてきてくれる人はいない。

マンションも一戸建ても、インタホンにカメラが付いていることが多いので、

妙な緊張を強いられる。

 

田舎。

玄関が開いている。

なのに、呼んでも誰も出てこない。

呼び鈴はあるが、誰も押そうとしない。

なぜなら、玄関が開いているからだ。

人はいないのだが、犬がいる。

犬はどこからともなく現れてがるるるわうわう吠えるので、油断は禁物である。

やっぱり妙な緊張を強いられるのである。

 

ds-ccs (2008年10月26日 22:52) | 個別ページ

愛を語る

愛を語る経営者がいる。

と言っても、歯の浮いたような言葉は決して口にしない。

最初に聞かされるのは、おやじギャグである。

数秒間、誰も笑わない。

そのうち一人がこらえきれずにちょっとだけ笑う。

つられてみんなが笑う。

その場の空気がなごんでいくのがわかる。

 

次に聞かされるのが、いわゆるシモネタである。

どんな話題になっても、

「それは男と女の関係といっしょや」

と言って、シモネタが繰り出される。

みんなうつむいて笑っている。

「出た~」と言って喜んでいるのは私である。

場の雰囲気がさらになごむ。

 

そして、経営者は最後にひとこと、こう言う。

「愛だよ、まさしく」。

 

この言葉に、私はいつも、感動を覚えるのである。

 

ds-ccs (2008年10月23日 22:27) | 個別ページ

どんより2

以前、どんよりしていた教習所に久しぶりに行った。

やはりどんよりしていた。

どんよりしたまま帰るのもどうかと思い、

30代のバツイチの女性が結婚相手を見つけるための戦略について話をしてみた。

 

「いくら合コンに出ても、ろくな男しかいませんよね」

と言うと、みんなにたにた笑っている。

「彼女のいる男性を狙った方がいいでしょう」

と言うと、みんなうんうん頷いている。

「教習所も戦略がなければ大変な時代なのです」

と言うと、またどんよりとした雰囲気になった。

 

時間になったので、「では終わります」と言うと、みんな部屋から出て行ってしまった。

窓から空を見上げると、秋の青空にどんよりとしたうすい雲がかかっていた。

 

ds-ccs (2008年10月22日 20:45) | 個別ページ

誰か・・・

ある教習所の経営者からこんなことを言われた。

「ウチの事務員で独身で四十になるコがいるんですけど、誰かいい人いませんか?いたらぜひ紹介してください」。

この事務員さん、すらりと背が高く、長い髪がよく似合う、なかなかの美人である。

とても四十には見えない。

「私が知っているのはバツイチばかりですよ」

と冗談を言うと、それでもかまわないと言う。

おもしろくて、やさしすぎず、ちゃんと仕事をする人であれば、ルックスは問わないという。

しかも年齢は40代までならかまわないそうだ。

 

ある教習所で49歳のまったくの未婚の男性に、この話をしてみた。

副管理者で、正義感が強くまじめな人である。

余計なことだが預貯金は多いらしい。

嫌がるその男性に、彼女の画像を見せて勧めてみた。

ところが、この男性はたちまち首を横に振った。

「ダメです。私はおもしろくありませんから」。

む・・・全くもってその通りだ。

 

最近、別の教習所の男性(37歳)にお酒の席で冗談まじりで勧めてみた。

すると、年上でも全くかまわないと言う。

少し距離は離れているが、出張で時々近くに行くからその気になれば会えるのだそうだ。

けっこう話が盛り上がってきたので、つい私が、

「理想の男性は、B'zの稲葉浩志だそうです」と言うと、

とたんに静かになってしまった。

 

誰か、我こそはと名乗りをあげる人はいないだろうか?

彼女といっしょになれば、大きなメリットもある。

まず食べることに困らない。

実家がお米屋さんなのである。

ds-ccs (2008年10月20日 21:18) | 個別ページ

欠航

長い出張を終え、空港で航空券を求めようと行き先を告げたら、

「欠航です」と言われた。

欠航?

一瞬何のことだか意味がわからなかった。

つまりは、飛行機が飛びませんということだ。(当たり前か)

1日1便なのに。

仕方が無いので一番近くの空港に飛んで、そこから新幹線を利用することにした。

時間が倍以上かかる上に、交通費も余分にかかる。

 

が、怒っても泣いてもどうにもならない。

ため息をつきながら、私は観念した。

 

しかし、飛行機という乗り物は、こうしたリスクといつも隣り合わせだ。

まともに時間通りに着く、などと思ったらひどい目に遭う。

だいたい2回に1回は時間通りに発たない。

ということは当然のことながら時間通りに着かない。

着かなければ、連絡する交通機関にも遅れる。

遅れると帰宅時間が遅くなる。

 

しかも機内では、あれもしてはいけない、これもしてはいけないと実に制約が多い。

乗るまでが大変なのに、乗ってからも安らげない。

座席は狭く、窮屈極まりない。

シートがほころびたりなんかしていると、心がすさんでしまう。

風が吹くと揺れるし、気流が悪くても揺れる。

富士山は黒くて、ちっともきれいではない。

 

だったら乗らなければいいではないか。

そうもいかない。

東北から九州まで、出張先は広域に渡る。

決して小さくないリスクにおびえながら、また飛行機に乗らなければならない。

 

今回の欠航について、納得いかない点があったので、

ホームページから問い合わせをしてみた。

返事が来たのは、なんと5日後だった。

もう目を通す気も起こらないので、すぐにゴミ箱に捨ててしまった。

 

日本中の飛行機が全部、サウスウエストならいいのに。

 

無理だけど。

 

ds-ccs (2008年10月 9日 20:48) | 個別ページ

訃報

長い出張でたまっていたメールの中に、

その知らせはあった。

福岡の指導員さんからのその知らせは、

私のよく知っている指導員さんの訃報だった。

 

私と同い年のその人は、

夏も終わろうとするある日の夕方、

突然帰らぬ人となった。

 

そう言えば、血圧が高いと言っていた。

長いこと薬が合わなかったが、

やっと自分に合う薬が見つかったと言っていた。

ずいぶん前のことである。

 しかし、ここ数ヶ月は、薬を飲んでいなかったらしい。

 

彼とはこれまでどんな話をしてきたのだろう。

お酒を飲んだのはいつだったか。

どんな理想を語っていたか。

どんな現実を嘆いていたか。

思い出そうとしても、思い出せない。

 

彼がいなくなったこと自体、

いまだに受け容れられないでいる。

 

ds-ccs (2008年10月 7日 21:41) | 個別ページ