少し前のこと。
電車に乗ってふと見上げると、教習所の広告が目にとまった。
いわゆる車内吊り広告である。
おやおやと思って、その教習所の広告を眺めていたら、その後方にも同じポスターが見える。
そして、その後ろにも、そのまた後ろにも同じポスターが吊り下がっている。
なんとその車両すべての掲示箇所に同じポスターが吊ってあった。
私は「これはお金がかかっているなあ」と思いながら、もう一度、そのポスターに目を凝らしてみた。
緑に囲まれた美しい環境の中にある、というキャッチコピーからすると、それがこの教習所の一番の売りらしい。
たしかに写真を見ると、たくさんの木々の中に校舎が写っている。
私はしばらくそのポスターを見ながら、ふとこんなことを思った。
「生徒がかなり減っているのかもなあ」。
もっと前のこと。
私が外出先から帰って家のポストを開けてみたら、大き目のビニール袋が入っていた。
中にはチラシとポケットティッシュまで入っている。
いわゆる、投げ込み型のポスティングである。
何のチラシだろうと見てみたら、教習所のものだった。
チラシには、「親切、ていねい」と書かれてある。
私は「ウチに入れても仕方ないのに」と、しばらくそのチラシを見ていたが、すぐにこう思った。
「生徒がかなり減っているのかもなあ」。

