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2008年9月アーカイブ

胡散臭い

ある教習所の伝道師活動でふたりの指導員さんに同行した。

伝道師活動とは交通安全の呼びかけを行う訪問活動のことである。

しばらく、いっしょに歩いていたのだが、どうもひとりの指導員さんのことが気にかかる。

眼鏡といい、

着ているシャツといい、

腰に巻いているポーチといい、

持っている紙袋といい、

長い髪といい、

不精ヒゲといい、

すべてが胡散臭いのである。

 

私は思わず、

「Sさん・・・胡散臭いですね」

と言うと、Sさんは嬉しそうにこんなことを言った。

「怪しいでしょ。わかっています。訪問する時も『すみません。怪しそうに見えますけど、決して怪しいものではありませんよ』と言って行くんです」

それが意外に笑いが取れて話がはずむのだそうだ。

うーん・・・交通安全伝道師って・・・それでいいのか、おい?

 

ds-ccs (2008年9月26日 19:08) | 個別ページ

腱鞘炎

ある教習所で私の原稿を元に、マンガを描いてもらっていた受付担当の女性からメールが届いた。

「ハイスピード4コマができあがりましたので
(製作作業は全然ハイスピードじゃないですが...。)お送りいたします。
遅筆なものですみません...(プロっぽい響きですね)
 
二輪の4コマを先に用意してたんですが、急にこちらを先にと渡されたので、
前回同様、下絵の段階でお見せする予定でしたが間に合いませんでした...。
申し訳ございません。
 
更に途中で腱鞘炎になり、手首を固定しながらの執筆になりましたが
迫り来る締め切りを前に、仕事の厳しさを痛感した秋の始まりでした」。
 
 
そうとうな激務だったことがうかがえる。
 
今度行く時には、何か物を持参して激励してあげなくては。
 
おそらくマンガの仕事はこれからもっと過酷になるだろうから、漢方薬入りの湿布がいいかもしれない。
 
いや、もっと腕を鍛えるために鉄アレイなどもよいだろう。
 
サメのエキスかマカ入りの滋養強壮剤もありか??
 
どちらにしても退職しないように祈るばかりである。
 

 

ds-ccs (2008年9月19日 21:50) | 個別ページ

さわさわ

ある街の公園に行ってみた。

大きな池の外周をしばらく歩いてから、ベンチに腰掛けた。

池の表面からカメが顔を出している。

おやおやと思っていたら、今度は大きなオニヤンマが目の前を通り過ぎていった。

池の表面から突き出た杭には、海が近いせいかたくさんのカモメが羽根を休めている。

大学のサッカー部だろうか、数名の赤いユニフォームが声を上げながら背後を走り抜けていった。

どうやら外周をぐるぐる周っているらしい。

 

すぐ横にあるしだれ柳が風に揺れてさわさわと音を立てている。

 また、オニヤンマが近づいてきた。

ふと目が合った。

さっきと同じオニヤンマのような気がした。

サッカー部と同じように外周をぐるぐる周っているらしい。

 

しばらくぼんやりしていたら、あくびが何度も出てきて涙が溢れそうになった。 

こんな公園が家の近くにあったら、毎日でも散歩するのだが。

しないか。

公園.JPG 

 

 

ds-ccs (2008年9月16日 12:59) | 個別ページ

絶句

ある教習所の経営者が私に一枚のチラシを見せてこう言った。

「川崎さん、これ、見てやってください」

そのチラシは教習所で実施するイベントの告知チラシであった。

すでに印刷して周辺にポスティングをしてまわったのだという。

私は、そのチラシを見て思わず絶句した。

「・・・・・・」

イベントのチラシと言えば、いかにも楽しそうでワクワクするように、イラストや楽しそうな写真を交えてカラフルにデザインするのが普通だろう。

 

しかし、目の前のチラシには、楽しさのかけらもない。

それどころか、どこか「怖さ」さえ感じる。

何が怖いのかというと、写真が怖い。

心霊写真のような不気味さ。

「ファミリーフェスティバル」という文字とのギャップ、ぼんやりとした配色がまた恐怖感を煽る。

 

パッと見のイメージは、「ひったくり多発」、「チカン出没注意」、「この人を探しています」・・・。

年代的には昭和30年代の趣さえ感じる。

まるで黒澤明監督の映画「天国と地獄」で、張り込みをしている刑事が隠れている電信柱に貼ってあるようなレトロ感。

そんなことよりも、このフェスティバルでいったい何をするのかよくわからない。

「第2部では、・・・楽しいイベントを実施するよ」と書いてある。

ってことは、1部があるのか?

では1部では何をするのだろうか?

・・・何も書いてない。

 

それ以前に、来て欲しいのかどうかさえも不明だ。

ひょっとして担当した指導員さんは、なるべくお客さんに来て欲しくないと思って作ったのだろうか。

そんなはずはない。

チラシの下には「お楽しみ抽選会チケット」だってついているではないか。

 

この教習所の経営者は、最後にこう言った。

「このイベントは失敗するでしょう。でも、本人が失敗したと思ってくれればいいんです。それで1歩前進できれば、このイベントにかけたお金も意味があったことになります」。

経営者には辛抱強さが求められる。

 

私はこのチラシを大事に保管しておこうと思った。

 

 

無題-スキャンされた画像-02.jpg

ds-ccs (2008年9月13日 14:43) | 個別ページ

美容室

「パーマをかけてきます」

そう言って、妻が出かけていった。

昨夜、ホットペッパーをしばらく眺めていたが、そのうちハサミを取り出して切り取っていたのは美容室のクーポンだったらしい。

数時間経って、妻は帰ってきた。

髪を見るとたしかにパーマがかかっている。

 

私が

「十和子巻きだね」

と言うと妻は、

「いまどき、十和子巻きなんてありません」

と憮然として向こうに行ってしまった。

 

その翌日、妻が行った美容室からハガキが届いた。

サンキューレターである。

幾重にも手描きで線を引いて、それに沿って文章が書かれている。

横には、スタイリストと名乗る男性の名前も書いてある。

初めてのお客を獲得するのに比べると、一度来たお客に再び来店してもらう方がはるかに簡単だし、コストもかからない。

従って、再来店をそれとなく促すサンキューレターにも自然力が入る。

 

妻はそのハガキを見ながら、

「よくこんなハガキが書けるわね。私には絶対に無理だわ」と言った。

 

私も心の中で「無理だろうな」と思った。

 

ds-ccs (2008年9月 7日 22:03) | 個別ページ

小手先

少し前のこと。

電車に乗ってふと見上げると、教習所の広告が目にとまった。

いわゆる車内吊り広告である。

おやおやと思って、その教習所の広告を眺めていたら、その後方にも同じポスターが見える。

そして、その後ろにも、そのまた後ろにも同じポスターが吊り下がっている。

なんとその車両すべての掲示箇所に同じポスターが吊ってあった。

私は「これはお金がかかっているなあ」と思いながら、もう一度、そのポスターに目を凝らしてみた。

緑に囲まれた美しい環境の中にある、というキャッチコピーからすると、それがこの教習所の一番の売りらしい。

たしかに写真を見ると、たくさんの木々の中に校舎が写っている。

私はしばらくそのポスターを見ながら、ふとこんなことを思った。

 

「生徒がかなり減っているのかもなあ」。

 

もっと前のこと。

私が外出先から帰って家のポストを開けてみたら、大き目のビニール袋が入っていた。

中にはチラシとポケットティッシュまで入っている。

いわゆる、投げ込み型のポスティングである。

何のチラシだろうと見てみたら、教習所のものだった。

チラシには、「親切、ていねい」と書かれてある。

私は「ウチに入れても仕方ないのに」と、しばらくそのチラシを見ていたが、すぐにこう思った。

 

「生徒がかなり減っているのかもなあ」。

 

ds-ccs (2008年9月 4日 14:07) | 個別ページ