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2008年8月アーカイブ

世間ズレ

ご支援先の経営者があきれた顔でこんな話をしてくれた。

その経営者の知り合いが、子供が通う小学校のPTAの会合に参加した時の話。

その会合には、ある教習所の社長も参加していたと言う。

そして、その社長はいきなり初対面の他の親にこんなことをお願いしてまわったそうだ。

 

「10年経ったら、ウチの教習所で免許取ってくださいね。〇万円安くしますから」

 

その社長は、初めての会合で名刺交換もしない内から、売込みを始めたらしい。

高校ならまだわからなくもないが、相手は小学生である。

その場にいた親たちは全員、開いた口がふさがらなかったそうだ。

空気が読めないどころではない。

なんてずうずうしい。

なんて厚かましい。

 

経営者がやれやれと思って聞いていたら、その知り合いの方はさらに別のPTAでも同じような話を聞いたと言うのである。

やはり、別の教習所の経営者が小学生の親に対して売り込みをしていたと。

 

「社長、この業界って、一体どうなっているんですか?」

そう言われて経営者は、恥ずかしいやら、情けないやらで、何とも憂鬱な気分になったそうである。

 

少子化や免許離れといった厳しい環境で淘汰が進む業界。

それよりも、私利私欲から自滅する教習所の方が多いのではないか。

ふと、そんな気がした。

ds-ccs (2008年8月31日 20:37) | 個別ページ

オチ

最近、よくマンガの原稿を描いている。

交通安全がテーマの4コママンガである。

4コママンガは、たった4つのコマで決着を付けなければいけないので、原稿を考える時は、異常なほど集中し、興奮する。

特に、大事にしているのが「オチ」だ。

オチがつまらない4コママンガを読んだ時、それは寒々とした気持ちになる。

 

ずっと以前、ある教習所で指導員さんが考えた4コママンガを読んだ。

内容は覚えていないが、オチだけははっきりと覚えている。

それは「うひゃー、だったらボクもすぐに入校しなくちゃ」といったオチだった。

それは身の毛もよだつ程、身勝手で空虚なものだった。

 

何も爆笑を誘う必要はない。

ぷ。

こんな反応で十分だ。

ほんのちょっとだけ読んだ人が笑顔になればそれでいい。

 

しかし、テーマは交通安全である。

今日のこの文章同様、オチに苦しんでいるところである。

 

 

ds-ccs (2008年8月27日 23:11) | 個別ページ

なし

ある教習所からなしが届いた。

なんでも、社員さんの実家がなし園をやっておられるらしい。

冷やしておいたそのなしを今日いただいた。

 

大きななしの玉を手に持って、皮をむいていると台所に風が吹き込んできた。

いつもとは違う、そよそよと涼しい風である。

私は、なしを持ったまま、しばらくその風にそよぐカーテンを眺めていた。

なしは、果汁をたっぷりと含んでいて、甘かった。

 

今日は一日、涼しい風が吹き続けた。

季節の変わり目に、美味しいなしを食べられる幸せ。

今年も、秋がきた。

 

ds-ccs (2008年8月24日 23:06) | 個別ページ

締切

ある教習所にKさんという女性がいる。

担当は受付業務である。

このKさん、最近、締切に追われている。

何の締切かと言うと、漫画の締切である。

実は、Kさんは漫画が上手で、プロ並みの腕前なのである。

しかし、受付業務をこなしながらの執筆になるため、なかなかはかどらないらしい。

 

漫画のストーリーとフキダシは私が担当している。

キャラクター設定や表情描写にはかなりうるさい。

「女子高生が風俗嬢に見えますよ」

「この人はなんでこんなに毛深いのですか?」

などと、ダメだしをすることも少なくない。(いったいどんな漫画だ)

Kさんは、何度も描き直しながら、迫り来る締切日を前に焦燥し悪戦苦闘しているのである。

 

つくづく嫌な奴だ。

自分の事ながら、そう思う。

ds-ccs (2008年8月23日 18:36) | 個別ページ

三択

先日の日曜日、3つの教習所にお客を装って電話を掛けてみた。

「あのお、ウチの子供(大学生・数日前に帰省)に夏休みに免許を取らせたいんですけど、最短でいつ頃取れますか?」

 

A校の対応:感じのよい男性(幹部?)の声

「短期コースはありますが、予約の取り方次第でご利用いただけるかもしれません。今日は臨時営業日で、受付がいないものですから詳しいことは明日以降でないとわかりません。何でしたら今日お宅におうかがいしましょうか?」

 

B校の対応:感じのよい、説明もわかりやすい若い女性の声

「当校は担当制ですので、短期コースで約1ヶ月かかります。ただ、今は混み合っていますので、短期コースをご希望の場合は、お子さんのご都合をお聞きして教習スケジュールを作ってみなければ何とも言えません。(「一度来てみなければいけないということですか」と聞くと・・・)そうですね」

 

C校の対応:いかにも頼りなさげな新人風の女性の声

「あ、え?短期コースですか?は、はい。大丈夫です。13日・・・いやに、2週間で卒業可能です。水曜日に入校していただければ、○○日が卒業予定日になります。(不安になって、「本当に大丈夫でしょうか?」と聞くと・・・)えへへ。だ、大丈夫です」

 

さて、あなたならどこの教習所を選ぶだろうか?

 

ds-ccs (2008年8月18日 17:26) | 個別ページ

墓参り

墓参りに行ったら、見知らぬ老人に唐突に声を掛けられた。

「わしがわかるか?」

私が「知りません」と首を横に振ると、

「わしはあんたが誰かすぐにわかった。わしがわからんのか?」

と再び聞く。

私が沈黙していると、老人は言った。

「わしだ、わしだ、やっさんだ。お母ちゃんが死んでもう何年になる?」

その老人は、私のいとこであった。

ずいぶん見ないうちにすっかり年老いている。

やっさんは、「みんな元気ならそれでええ、それでええ」と言って私の前から姿を消した。

 

帰りの車の中で、ぼんやりとやっさんのことを考えていた。

 

ふと、こんな思いが頭をよぎった。

「やっさんは、もう、死んでいて、この世の人ではないのかもしれない」

 

そう思った瞬間、水を浴びたようになった。

 

ds-ccs (2008年8月16日 15:11) | 個別ページ

偵察

ある教習所にお客を装って行ってみた。

ロビーには15人位の生徒が座っている。

みんなうつむいてたまま、水を打ったような静けさである。

私が受付の女性に「パンフレットをください」と言うと、いろいろと説明してくれた。

少し冷たい感じはするが、説明はわかりやすい。

よく教育されている印象である。

ふと私は、違和感を覚えた。

なんだろうと、受付の奥に目をやると、一人の男性が座っている。

違和感の原因はこの男性だった。

着ているシャツが異様に派手なのである。

しかも、がっしりと太りぎみの体格。

きっと経営者に違いない。

広い部屋の中で、一人だけ目立っている。

完全に浮いていると言ってもいい。

自分では気づいてはいないのだろうか。

 

完全に浮いていますよ。

ピンクのシャツはどう見ても派手すぎでしょう。

悪代官のように見えますよ。

そう、あなた。あなたのことです。

 

その男性は私からのシグナルに全く気づかないまま、ぐふふと笑った。

 

ds-ccs (2008年8月11日 13:56) | 個別ページ

おっさん

妻は、いつも集荷にくる郵便局の担当者のことを「おっさん」と呼ぶ。

そんな呼び方をするには理由があるのだという。

仕事が遅くて知識も乏しく、あきれることが多いかららしい。

先日、私がたまたま家にいる時に「おっさん」はやってきた。

私は、作業が終わるのを奥で待ったいた。

ところが、集荷してもらう郵便物はわずかひとつなのに、異様に時間がかかる。

しばらくすると「すみませーん」と声がする。

終わったものと思って玄関に行くと「おっさん」はいろいろな料金表を引っ張り出して困惑した顔をしている。

そして、私に聞いた。

「あのー、これは、ゆうメールでしたっけ?」

「うー、590円で合ってますよね?」

私は、「なぜ私に聞く?」と心の中で突っ込みながら返事に窮していると、「おっさん」は「まあ、これでええんか」と独りごとを言い残して、「すみませーん」と帰っていった。

妻にそのことを話すと、今はまだマシになった方で、以前はこちらでいつも料金を調べておいて、過去の領収書も出しておいて、「おっさん」の質問に備えていたのだと言う。

「おっさん」は郵便局が民営化になって以降、ウチに来るようになった。

恐るべし、郵政民営化。

ds-ccs (2008年8月 7日 14:20) | 個別ページ

気の毒

ある自動車学校で4名の指導員さんに同行した。

すべて女性の指導員さんである。

一人目の指導員さん(Hさん)と別れて、二人目の指導員さん(Nさん)にバトンタッチする時に、Nさんが言った。

「Hさん、大丈夫でしたか?」

私が、何が大丈夫なのかを聞いたところ、こんな答えが返ってきた。

「Hさん、朝から体調が悪かったんです」

え。

気が付かなかった。

私に同行されることを気に病んで、具合が悪くなったのかもしれないと思い、

「私のせいですね」と言うと、

「さあ、そんなことはないと思いますよ」。

3人目は部長のTさんだったので率直に聞いてみた。

「Hさん、朝から体調が悪かったそうですね。大丈夫ですか」

すると、T部長は笑いながら言った。

「ええ、でもさっき学校に戻ってきた時にはすっかり元気になってましたよ」

 

私は、相当、嫌がられているようである。

ds-ccs (2008年8月 5日 15:22) | 個別ページ