以前、ある教習所に他県の教習所から視察がやって来た。
経営者は笑顔でこう言った。
「何でも聞いてください。すべてお見せしますので」。
視察の代表者はたいへんご機嫌の様子だった。
だが、経営者が案内役の幹部にそっと耳打ちしたのを私は見ていた。
経営者はこう言った。
「2階の会議室だけは絶対に見せてはいけないよ」
別の経営者は、私にこんな話をしてくれた。
「県内の教習所が、視察を兼ねてウチで会合を開きたいというので仕方なく引き受けましたが、会合の前日に校内の掲示物を全部はがしておきました」。
ふたりの経営者をあなたはどう思うだろうか?
セコイと思うだろうか?
私は、ごく当たり前のことだと思う。
本当に重要な情報やノウハウを、手土産ひとつですべてオープンにするなど通常はありえない。
そんな中で、校内を見たり、写真を撮ったり、話を聞いたりしても、気晴らし以外ほとんど意味などない。
それに、どうも視察はタダだと思っている人が多いらしい。
タダで手に入るものの価値など知れたものだ。
「いやあ、今日はたいへん参考になりました」って・・・・・・本当なのかな?
お金と時間を浪費して他校を視察することよりもはるかに大切なことがある。
自分の教習所の社員と、それからお客様の動きを観察することである。
これこそ「宝の山」である。
しかも、タダで、いくらでもできるし。

