私は東京の地下鉄が苦手である。
特に鬼門なのが日比谷駅だ。
先日も、地下鉄に乗ろうと地上から降りたらすぐに迷った。
「→日比谷駅」という表示をたどっていくのだが、いつまでたってもたどりつけない。
いつしか表示も無くなり、人もまばらになってくる。
見えるのは「12A」とか「15」といった番号だけである。
仕方なく来た道を引き返す。
すると頭上に「→日比谷駅」という表示が見え始める。
どこかで道を間違えたのだ。
まるで、訪問経験の浅い指導員といっしょに募集にまわっている時のようだ。
特に田舎道は目印がないため、いったん道を間違えるとどこまでも迷う。
東京の地下鉄も、田舎道も、慣れないと苦労する点では同じである。
その翌日も「日比谷駅」を目指した。
今度は表示を見失わないようにと慎重に歩いていたら、着いたのは「銀座駅」だった。
ええい、どんなってやがんでえ。
私は観念して歩くことにした。
日比谷から東銀座。
なんだ、歩いた方がはええや。

